Z32のATについて

なんだか何気なくSNSでつぶやいたら思ったより反響があったので、字数制限のないブログで改めてもう少しちゃんと書こうと思い記事にしてみます。

その後もう少し詳しくして本家コンテンツ化しました。
Z32-オートマチックトランスミッションについて 

機構について…
トルクコンバーター(トルコン)式の4速オートマチックミッションです。
NAとツインターボで型式が違いますが制御は同じような感じです。

操作について…
シフトレバーの横にスイッチがあり、中立、POWER、HOLDが選べます。
・中立…4速ギヤを自動変速、通常モード。電子制御なので様々な条件で変速のタイミングが変わる。
4速にだけロックアップ(クラッチによる直結)制御があり、速度とアクセル開度のバランスで繋がったり切れたりする。アクセルを多く踏むと切れる(容量不足?加速重視?)
レバーに着いてる小さな方のスイッチは4速(オーバードライブ=OD)のON/OFFが出来ます。
高速でエンジンブレーキ使いたいときとかはこれでOD OFFすれば使うギヤが1速-3速になります。
アクセル全開にするとキックダウン(ギアが下がる)、エンジン全開で変速するのでミッションに負担がかかる。
   シフト位置が2の時は2速と1速を自動変速、1の時は1速固定

・POWER…変速が高回転寄りになるモード。パワーを使って走りたい時用。
中立で素早くアクセルを踏むとアクセル踏んでる間だけスイッチ入れなくてもPOWERになる、踏む速さなので全開にしなくても大丈夫。
   シフト位置が2の時は2速と1速を自動変速、1の時は1速固定

・HOLD…選んだギヤで走るモード。このモードはキックダウンしない。
   シフト位置がDの時は2速発進して速度が乗ったら3速(OD OFF)・4速(OD ON)まで変速して固定 、速度が限界まで下がると3→2に変速。
   シフト位置が2の時は2速固定、1の時は1速固定

使い道…
普段は中立位置でDにしておけば困ることは無いというか普通に乗れます。
そもそもエンジンが低速からトルクありますしガチャガチャやらないとろくに走れないとか、そんなことは無いと思います。

POWERは分かりやすく普段より高い回転数で変速してくれますが、そもそも中立のノーマルモードでもアクセルをそれなりに踏めば適切なギヤに変わるのでそこまで出番は無いかな?というイメージです。たまに高速合流等でちょっとダッシュしたいとき…でもキックダウンはミッションに負担がかかるから嫌だし、ボタンとかレバーとか操作するのが面倒だなという時にササっとアクセル操作でパワーに入れられるのは便利ですね。熱い走りをしたいときに?でも速度が出てると3速/4速までは自動変速してしまうのでHOLDの方が良いかもしれません。

HOLDは実質マニュアルモードなので分かりやすいですね。
峠道を走るならHOLDで2に入れておけばずっと2速維持してくれるのでエンブレも使えてふいに変速することもなくなります、高速で燃費優先で走るならHOLDでOD ONとすれば速度が下がらない限りアクセル開度に寄らず、ずっと4速なので回転数を上げずにトルクで走ることができます。
後世のパドルやシーケンシャル(前後に+-できるもの)に比べると分かりづらいですが1-4速を選んで使うことができます。

その他…
クルコンやECUと連携しているので、変速時に点火遅角してスムーズに変速したり、クルコン使ってるとロックアップ領域が広がったり、結構ちゃんと電子制御してます。
日産E-ATと言えば大体同じ感じの制御になってます。90年代は大体このパターンですね。

90年代後半 ステアリングスイッチとシフトレバーでマニュアルモード変速できる4速M-ATxとなり

10年後のZ33世代になると5速化+シフトレバーで+-するマニュアルモード付5速M-ATx化

20年後のZ34世代で7速化+パドルが着き

30年後のRZ34世代で9速化

もちろんどんどんシフト速度も速くなり最新世代はDCTと比べても遜色ないスピードになっています。

Z32の4ATは現代のそれと比べるとちょっと変速には時間かかります。とはいえアクセル踏みっぱなしで変速できるという特徴もありアクセル全開フルブースト維持でダッシュすると中々の速さです。ま、もちろんミッションに負担がかかるのであんまりやらない方が良いですが…。
(下手な人のマニュアルだと勝てないかも…?

ATFが劣化してくるとミッションが熱を持つようになりフロアトンネルが熱々になるとか。
ATF交換は諸説ありますが少なくとも私はやる派(ダメになったらOH覚悟)で今のところ非常に快調です。(ま、紺色は低走行でしたし。

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