日産自動車 エンジンミュージアムへ

日産自動車 エンジンミュージアムは横浜の工場内にある展示施設なのですが、開館は基本的に工場と同期しているので基本的に平日あるいは祝日に訪れる必要があり、存在を知ってはいながら休みのタイミングが合わず中々行けずにいました。

ちょうど年始の祝日にこのことを思い出して訪れましたので記事にしてみたいと思います。
ということで定番の訪れるところから画像で…と行きたいのですが工場内なので屋外では基本的にカメラを使うことはできないため、いきなり気になった展示物を。


Z32に搭載されているVG30DETTのカットモデルですね。
他の展示物は実際のエンジンなのですがこれはなんとなく樹脂っぽい質感があり、本物の部品ではないのかな?という感じです。

見慣れたエンジンですが改めて見ると非常にコンパクトですね、エンジンルームに水空気配管とハーネスと一緒にぎゅうぎゅう詰めになっているので忘れがちですが、Z32のエンジンルームがとても狭いのでそこに入るように作られており、ツインカムツインターボでありながらコンパクトにまとまっています。



こちらはVQ37VHR、VGに比べるととても縦長。Z34に積まれた可変バルブタイミング/可変バルブリフト搭載高回転型の最強モデルです。これはZ32に無理やり積もうとしても入らなそうですね…。
VQはVG/RBの次の世代の様々な車種に長期間にわたって搭載されたエンジンです。
VGの反省が多々活かされており、コストダウンしつつ高パフォーマンス・軽量化されているようです。アルミブロックですが強度を出すためなのかVGに比べると造形がかなり複雑だったりチェーンカバーも併せて強度を持つような構造に見えますね。
こちらはGT-RでおなじみのVR38DETT。素人目にはVG→VQほどの変化は無いですね。
匠による手作業で組みあげられる紹介のムービーが色んな意味で印象的でした。
専用のクリーンルームで手際よく組み上げられていき、エンジンベンチでエキゾーストが真っ赤になりながら最大出力が計測される様子が見られます。

背面からもまじまじと見られますが、このエンジン凄い部品密度です。
バルクヘッド側にも相当な部品が密集しておりちょっと不安になりますが、とはいえ時代も下ってR35に積んだときにちゃんとメンテナンスできるようにはなっているのでしょうけど。


今回非常に印象的だったのがこのKR20DDETです。
VC-TURBOエンジンですね。可変圧縮比を実現する特殊な機構を持ち、2Lながら出力特性はVG30DETTと同等、それでいて低燃費を実現。ちょっと信じがたい性能のエンジンです。
北米INFINITIのQXに搭載されています、国内では1.5L3気筒版のKR15DDTがX-TRAILに搭載されていますね。

目玉はエンジンの圧縮比を可変させるVCR機構ですが、これは非常に文字にしづらいので是非展示を見に行ってみてください。
特殊なリンクをエンジン内に設けることでこれを実現していますが、展示の模型とディスプレイが非常に分かりやすく作ってあり、この技術に対する熱が感じられました。
ちょっとわかりづらいのですがただの液晶画面ではなくて画面の向こうに模型があり、液晶でプロジェクションマッピング的に情報が表示される展示が非常にオシャレに感じました。


乗用車用のエンジンだけでなく、レーシングカーのエンジンも沢山展示されています。

Cカーに搭載されていたVRH35Z、タービンはこの時代の代名詞といえるかもしれません、IHI RX6タービンでした。



V12も。これをデチューンしてMID3とか出ないでしょうか。どんな音がするのか気になります。
なんとなく見知ったコネクタが使われているような…。


昼頃行ったのですが、結構楽しんでしまいお昼時を逃してしまったので、グローバル本社ギャラリーでコーヒーとサンドイッチを頂いて、ついでにZ32を見てきました。
なんだかちょっと磨きが入ったのか綺麗になった気がします。


日産関係の展示なのにこの日はDB9でした…祝日の昼間にマニュアルが面倒でつい
映像展示や技術解説も多く、規模の割に非常に内容が充実していてエンジンに興味があれば楽しめる施設と思います。この記事では私の独断と偏見によって少しだけの紹介にとどめていますが、これ以外にも沢山のエンジンが展示されていて、1回だけでなくまた改めて行くのも良いかと思いました。

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