TESLA MODEL S試乗記

TESLA MODEL Sに乗らせて頂く機会がありましたので記憶が消える前に文字に起こしておこうと思います。
ただまぁ…この価格帯のクルマは試乗すらあまりしたことがないので…庶民視点なのはお察しください…

最初は助手席に座っていたのでまずは乗るところから助手席視点で始めたいと思います。

・外観
バンパーの開口部が少ないので印象的なデザインですが、ディメンションとしてはアメリカ的フルサイズセダンとして標準的な形でしょうか。
ルーフラインの収束が穏やかな角度なのは空力を考慮した合理的デザインなのか、
セダンの外観をしていますがハッチバックになっていてごっついダンパーで後席の後ろからガバっとハッチが開きます、そんなわけでトランク容量は相当に大きい+縦にもスペースがあるので見た目以上に積めそうです。
(ボンネット内もフロントトランクなので余計に)

・ドア
ドアについてビックリしたのが外側のドアハンドル。
ドアハンドルは走行時格納されていてタッチするとドアハンドルが外側に出てくるギミック、もちろん走行時は格納されてボディに対してフラットになります。
ドアハンドルを引いた感じワイヤーリンケージではなくスイッチ+モーターになっているようでした。ストロークが短いので独特の感触です。
内側はワイヤーリンケージのような感触でした、緊急脱出を考えると流石にアメリカとはいえ内側は物理接続にした、ということでしょうか
ドアの分厚さの割にポケットが無いのはアメ車を感じましたが内装は結構凝ったデザインになっていて、そのままアームレストとして使える形状になっていました。(当然この部分はレザー貼り)

・内装
オプションのホワイトレザーシートは高級感があって○
座る時に汚れとか気にしちゃう自分の庶民感覚が嫌になりますが…。
本革かは分かりませんでしたが国産旧車にありがちな、なんちゃってレザーシートのツルツルすべる系のものではなくシットリとした質感のもの、100km以上乗りましたがホールディングもよく快適に乗れました。思ったより蒸れなかった気もしますね。
シート自体はパワーシートでリクライニング座面上下前後の6way、アメ車ってことを考えると普通ですがイージーエントリーやポジションメモリーも搭載されているようです。
(運転席は+ランバーサポート上下強弱)

また、センターに配置された特徴的な17インチのタッチスクリーン、
メディアで語り尽くされている感もあるのであまり語ることは無い気もしますが、
空調・オーディオ・シートポジションメモリーetc
ステアリングスイッチとレバーで提供される以外の操作はほぼ全て17インチのスクリーンから操作ができます。
カスタマイズされたAndroidとのことでした。
3G回線orLTEでインターネットに接続されており、これによってスマートフォンからのリモコン操作が可能になっているようです。
熱対策か設計時期の問題か、ソフトに対して動作速度はあまり速くなく、マップから車両設定等アプリをまたいだ画面切り替えはワンテンポ待つような印象でした。
2-3年前のAndroidタブレットをイメージするとわかりやすいかもしれません
(まさにそれそのものなんでしょうけど)

その後100kmほど高速+一般道を運転させてもらいました。

・メーターと操作系
メーターは完全に液晶ディスプレイとなっており、デジタル表示のスピードメーターがセンターに表示され、その下部にクルーズコントロールの認識している状況(前走車の検知、ソナーの状況)が表示されます。
クルーズコントロールを使えと言わんばかりの表示ですね笑
画面左右はナビの案内表示や電費状態が表示されていました(ステアリングボタンからカスタマイズ可能なようです)
個人的には後方俯瞰画面で表示内容が単純化(モノクロ+最低限の道路名)されたルートガイドが表示されるのが先の道をイメージしやすく秀逸だなと感じました。
交差点や分岐ではちゃんと残り距離数と道の形状がクローズアップされます、ここは普通のナビと一緒ですね。
本当の意味で視線移動が少なく、また、輝度も自動調整なのか全く気にならず見やすく感じました。

ステアリングはベンツと同じ太さらしく私には少し太く感じましたが、
ガツッと握れるので良いかなと…とはいえオートステアリングだと添えてるだけでほとんど握りませんが笑

レバー系は右1本、左3本の少し変則的な構成です。
右がシフトレバー…とはいえ電気自動車なのでモード切替といった感じでしょうか。
シフトポジションはPRND、レバーのトップに付いているボタンを押すとPになり、サイドブレーキも自動でかかるようです。(手動でかけたい時はタッチスクリーンから操作するようです)
日本車に乗りなれた人がワイパーを誤操作するのはよくある話ですがこの車の場合はNに入っちゃうんですね…。
とはいえプリウスシフトよりはスペース的な意味でも良いかなと思います。

左の3本は
ウィンカー(兼ワイパー、ワイパーはレバー先の回せる部分と先端のボタンで操作)
ステアリングポジション(チルト・テレスコピック)
クルーズコントロール
となっています。

クルーズコントロールは1回引いて前走車追従2回連続で引いてオートステアリング有効になります。また、ワイパーと同じように先端が回せるようになっており車間設定が行なえるようです。

・クルーズコントロール
日産のプロパイロットに乗りなれているのでどうしても比較してしまいますが…TESLAのオートステアリングの方が圧倒的にスムーズです。
クルマ自身が得ている情報量としては大差ないはずなのですが制御がかなりこなれており、高速道路・幹線道路を走っている限りほぼほぼクルーズコントロールをオフにする必要がある場面もありませんでした。
(運転させてもらったのは完全自動運転ハードウェア未搭載モデルなのでセンサーやカメラが現行より少ないようです)
「ステアリングを人間が操作するとキャンセルされるがステアリングを握っていないとオートステアリングが作動しない仕様」
なので微妙な力加減でステアリングを握りかつクルマに操作をおまかせしないといけないので少し慣れるまで時間がかかりました…。

テスラに乗ってしまうと日産のそれはまだまだクルコン+アルファでしか無いな…と思ってしまいます。
どうしてもブレーキが遅かったり急ブレーキだったり車間保持が不安定だったりするので…。
そしてアップデートに関して保守的なのでアップデートされるには乗り換えしか無いというのもなんとも…。

・走行系
クルマの試乗記なのにこれが後の方に来るというのがなんとも「らしい」感じです。
正直巡航はオートステアリングでほぼほぼ走っていくので自身でハンドルを握ってアクセルとブレーキを…というタイミングが結構少なかったりします。
アクセルとブレーキはドライブ・バイ・ワイヤ…というか電気自動車なので。。
アクセルは当然ですが、ブレーキも電気油圧協調制御。
アクセルは言わずもがな強烈なレスポンスと加速力。
ゴツいシャーシとバッテリーで自重が1.8t近い重量級なのですが、リアモーターで私のZより俊敏に加速します。
(実際0-300mは私のZより2秒近く速い)
そしてアクセルを離すとあまり空走感なく回生ブレーキが効くのでほぼワンペダルドライブが可能です。
ブレーキはかなり強烈に効きます、流石フロント6potリア4pot、と車好きなら考えるかもしれませんがこの効きの強さの大本は恐らくリアの回生ブレーキです。油圧ブレーキと違って立ち上がりの減速トルクが強烈に出来るとはいえ…最初はビックリします笑
ブレーキタッチはかなり気を使いましたが慣れる範囲です。
(ごっついブレーキはバッテリーが満充電時に回生出来ない場合を想定していると思われます…長い下り坂とか)
巡航する時はクルコン使うでしょ?と言わんばかりの設定ですね。
実際、それでほとんど困りません笑

運転させてもらった個体はエアサスではなく通常のバネサスでした。
シャーシの剛性感は凄まじく、柔らかいバネを高減衰で抑えて固いボディで受け止める、という感じの味付けです。
ドライバーズカーを標榜するだけあってサルーン的というよりはスポーティな乗り味。
(オーナーさん曰く元々MICHELINのPS3を履いていたらしいのですが、試乗時はGOODYEARの中級タイヤに履き替えたらしくそれもあるかとは思いますが…)
高い減衰のおかげでほぼロール感は無くバシッと路面に張り付いて走るイメージです、バッテリーが床下搭載で重心が低いのもあり、Zより怖くないですね。
実際はストロークが結構確保されていそうですが。
1.8tの車重もあり面圧もかかるでしょうし全く不安感は無いです。
とはいえタイヤの限界を超えたらどうなるかはちょっとわからない感じもありつつ、トラクションコントロールとABSでドライであればほぼ何も起きないとのことでした。

・充電
皆さん気になるであろう充電もお話を聞いてみました。
日産ディーラーやSAPAにあるCHAdeMOはLEAFやiMiEVを想定しているため容量が足らず、充電がかなり遅いようです(出来ない場合もあるとか)
TESLAのSuperChagerであれば1時間そこそこで80%程度は充電されるようです。
(充電始めた瞬間爆睡すればちょうどいい休憩になるとか)

・総評
現行セレナについで未来を感じたクルマでした。
現代のクルマとしても十分成立しているし、モビリティとしても考えられる。
EVならではの行動範囲の制限があるのは若干残念ですが…

新車では高級サルーンの価格帯ですがクルマとしての存在感はドライバーズセダンと言うことで500-800万円帯のイメージでしょうか。(失礼)
CLSとか5シリーズとかArteonとか…CROWN、FUGAとか…。
ただEVということで圧倒的に静かで、CROWNハイブリッドで気になったインバータ系の高音ノイズもほぼ聞こえないし…もし予算に余裕があれば手を出して見る価値はあるかと思います(私は無理です笑)
後はマイナートラブルが結構あるらしいのでアメ車的付き合いが出来る方であればソフトのアップデート等含めて楽しめるクルマかと!

なんかZとはかけ離れすぎていて素直に良いなと思ってしまいました笑
貴重な経験をさせて頂きありがとうございました!

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